ポケミクとは
正式名称:ポケモン feat.初音ミク Project VOLTAGE
2023年8月に始動したプロジェクトで、18タイプの初音ミクのデザインと1匹の相棒が選出・公開されるイラストベースでの展開と、有名ボカロPがポケモンのBGMを自由に使用していい状態で楽曲を作成・公開をしていく楽曲ベースでの展開と、主に2軸での展開を進めていた。2026年3月に全楽曲の披露をするライブを実施し、ひと段落が着いた。
本稿では楽曲での展開についてを主に取り上げる。
楽曲について記載するにあたって、「音」「歌詞」「MV」「ライブ」の4軸についてそれぞれ、解説と感想を述べていく。
なお、解説についてはYoutubeのコメントやTwitterで見た内容や自分で気づいたことなどすべてが混ざっている状態なので引用元の記載は割愛する。
なごみ的ポケミクTier表
個人的Tier表(左右差あり)
本Tier表の好きな曲から記載をしていくので、序盤ほど記載が丁寧で、終盤になるにつれ記載が雑になる、またはもはや記事を作成しないことが想定される。
本記事の本題に入る⤵
むげんのチケット/まらしぃ
音
まずこの曲に使われている音について以下に述べる。
Aメロ主旋律:RSE・ORASより『みなみのことう』(ラティラティに会えるマップ、すてられぶねと同じBGM)
Bメロ主旋律:RSE・ORASより『ミナモシティ』(みなみのことうに行く船が出る町)
各鳴き声:ラティアス・ラティオスの鳴き声
サビ「ミストボール」「ラスターパージ」歌詞時SE:各技のRSEのSE
二番Aメロ「春も夏も秋も冬も」「朝も昼も夜も」歌詞メロディ:ポケットモンスターメインテーマ
ラスサビ後Cメロ:ORASより『天翔ける夢』
まずこの曲はイントロから1番サビまでが三拍子で進行し、ワルツを想起させる。
ワルツはよく社交ダンスで用いられ、男女ペアで踊ることが多く、兄妹であるラティラティが空で舞い踊る姿を想像させてくれる。
また、鳴き声が瞬間的に何度も聴こえてくるのは、ラティラティが一瞬で通過しているのを感じさせる。
また、 RSEではラティラティに出会う方法は二種類あり、「みなみのことう」で出会える特別な個体とは別に、徘徊によるエンカウントもあった。よって、一度遭遇し鳴き声を聞き、また去っていく様はまさにラティラティとの遭遇を表していると言える。
メインで使用している楽器もピアノで透明感を覚えさせる音色が意識されている。
そもそも、ほかのポケミクの曲は間奏や、裏の音としてポケモンBGMを使用している曲が多いのですが、この曲はメロディにめちゃめちゃBGMを使って曲を成り立たせているのが凄い。
歌詞
まず私はこの曲をRSEをやっていたがポケモンを辞めてしまった人、映画でラティラティに会ったきりの人への曲だと受け止めている。
先ほどは要素を先に羅列したが、今回は各歌詞を順番に追って要素と私の解釈を記載し、最後にまとめる形にする。
-1番Aメロ-
「空をとべたらどんなに素敵だろう」:最後の『天翔ける夢』はORASの『おおぞらをとぶ』をする時のBGMである。これはポケライドの先駆けで、メガシンカしたラティラティの背中に乗って空を飛んで街を移動することができる。つまりラティラティと叶えることが可能な夢想となる。
「ガラスの羽のよう」:先述したラティアスの図鑑説明にある『ひかりをくっせつさせるうもう』のこと
「言葉を言えたら何から伝えようきらり瞳は優しいテレパシー」:2匹ともテレパシーで人と感情を通わせることができる
-1番Bメロ-
「とうに忘れて色褪せた情熱は みなみのことうのそのまた奥でこの歌を待っている」:ここでいう情熱とは『ポケットモンスターへの情熱』のことであると考える。
それでも、みなみのことうで出会った私たちの情熱というのはそこに滞在し続けているのだ。
-1サビ-
「遠い夢じゃない、幻でもない」:ラティラティはぶんるい「むげんポケモン」である。それでも、夢じゃない、幻でもないと歌うのは、「ポケットモンスター」というもの自体が「夢じゃない、幻でもない」ことを表す。
「ミストボール」:ラティアスの専用技
「こころのしずく」:ラティラティの専用アイテム。とくこうととくぼうが1.2倍になる。
「ラスターパージ」:ラティオスの専用技
「あの日の君に贈る むげんのチケット」:「むげんのチケット」とは、ラティラティのいる「みなみのことう」に行くための限定配布アイテム。あの日、過去のポケモンに情熱を注いだ君にラティラティと会える、むげんのチケットを贈る。
そこには、ラティラティも、情熱も滞在し続けているのだ。
なお、ゲーム内の「むげんのチケット」は「ふしぎなおくりもの」で受け取ることができたアイテムです。また、受け取ったアイテムを実際に贈ることができ、エメラルドでは通信ケーブルを用いて「レコードを混ぜる」ことで、ORASでは「すれ違い通信」で他の人へおすそわけをすることができた。
-2番Aメロ-
「あふれだす ドキドキ ワクワク」:RSEでは「ふしぎなおくりもの」を解禁するのに、「ふしぎ できごと わくわく ドキドキ」という合言葉を入れる必要があった。また、アニポケのホウエン地方を旅するアドバンスジェネレーションシリーズのOP『アドバンス・アドベンチャー』では一番の歌詞で「WAKUWAKUしたいよ」二番の歌詞で「DOKIDOKIしたくて」と歌われている。
「春も夏も秋も冬も 口ずさむメロディ」「朝も昼も夜も」:ここは音のパートで記載した通り、「ポケットモンスター」のメインテーマになっている。つまり、ここで言う「口ずさむメロディ」はこの曲であるだろう。熱中していたあの頃は、季節も時間も問わず夢中になってポケットモンスターを開き、このメインテーマを聞き、口ずさんだ、ということが表されている。
「まだまだもっともっと飛べるよ」:君が最近は一緒に飛んでくれなくなったけれど、まだまだ飛べるんだという主張。
-2サビ-
「護神」「水の都」:ラティラティが主役の映画のタイトル「水の都の護神」
「むげんのチケット」:全く同じ単語として記載されているが、2サビは映画の要素が歌詞に盛り込まれている。そんな中でラティラティに会うためのチケットと言われるとゲーム内アイテム以外にもう一つ思い浮かぶのではないだろうか。そう、「映画の入場チケット」である。つまり、あの映画を見に行くチケット自体が「むげんのチケット」であると言えるのだ。
-ラスサビ前Bメロ-
「この歌を届けよう」:1番では待っている、だったのに対して、届けよう、と主体的になっている。みなみのことうのそのまた奥から、届けることができるのは誰か。
ラティラティしかいない。この曲はラティラティから私たちへの再会のための贈り物なのだ。
-ラスサビ-
「大空を翔ける むげんのチケット」:直前のLalalaという歌唱で歌っているメロディは曲部分でも記載した通り、「おおぞらをとぶ」の曲。
まとめ
曲の中でふんだんにラティラティの関連ワードが取り扱われながら、「あの日の情熱を思い出してもう一度一緒に空を飛ぼう」というメッセージ性が伝わってくる、まさにポケットモンスターの曲であるといえるだろう。
特に私は一度XYあたりでポケモンを引退してORASで復帰した身だったので、自分に語り掛けられているような体験に沿ったような歌詞で非常に胸を打つ内容であった。(ここら辺は個人個人の体験によってかなり感想が変わるため、あくまで個人的感想でしかないが)
また、ゲーム内音楽が使えるという今回のレギュレーションから他のポケミク曲は、ポケットモンスターのゲームへのアプローチが多い。(もちろん、ポケモンの体験自体について書いている曲もあるがそれは別記事で記載)その中で、入ってきた映画の要素は、ゲームをあまりやっておらず映画だけで触れているあなたも、ポケットモンスターの世界の住人なんだよ、と訴えてきているようである。大人になった今もポケモンを好きな人は多いが、子供のころは好きだったが今はそんなにという人はもっと多いと思う。そんな人に手を差し伸べる曲だと私は感じる。
MV
空の水色と、ラティラティの赤青が鮮やかな色で構成されている。
ラティラティはジェット機と揶揄されることも多く、空を素早く飛ぶ姿も多い。
また、窓からラティラティを見ているかのような表現も多くある。
映像内で下部に表示されている赤と青の数字はラティラティの図鑑番号。
AメロでミクとKAITOが見ている映像・BメロのMVのニュースキャスター映像。
RSEでは殿堂入り後にニュースでラティラティの出現が報道されその後に徘徊が始まる。また、ORASでは下画面で常にニュース画面を確認することができ、むげんのチケットをすれちがい通信などで入手すると、その旨を同様にニュースで確認できる。
サビ前放射線:RSEの野生接敵時エフェクト
2番Aメロ「朝も昼も夜も」歌詞時MV:ゲームボーイアドバンス(RSEのハード)
2サビ後間奏:ホウエンのドラゴンタイプのチルタリスとフライゴン。ここにボーマンダがいないのは、ポケミクのイラスト展開の方で選ばれていないからであろう。
ラスサビ「大空を翔ける むげんのチケット」歌詞時MV:「朝も昼も夜も」のゲームボーイアドバンスとの対比の3DS(ORASのハード)
3DSでまた会うことができるというゲームボーイアドバンスプレイヤーへのメッセージと、情熱がまた次世代の子供へ継承されるどちらの描写とも取れる
ラスサビ「僕と君に贈る むげんのチケット」歌詞時MV:船のチケット、そして映画のチケットを切られることから、前項歌詞でも述べた通り、本楽曲で示す「むげんのチケット」とは、ゲーム内のラティラティに会いに行くアイテムも、映画内のラティラティに会いに行く映画のチケットもどちらも示していることが描写されている。
ライブ
ラティラティの手につかまって空からミクとKAITOが飛んでくるところから始まる。
他の曲は途中からポケモンが出てきたり、出てきたあとも一緒に踊ったりすることが多い中で、この曲は自由にくるくると飛び回るラティラティの姿が印象的だ
また、そのポケモンがただ動く生き物として存在しているのでなく、性格をもって生きているように動いていたところも非常に印象的である。
具体的には、ラティアスが中心でアピールしているときにサポートをするようなラティオスの立ち回りや、KAITOに後ろからちょっかいを出すラティアスなど。
映画の、いたずら好きでおちゃめなラティアスと妹思いのラティオスの性格がそのまま踏襲されているのを感じさせてくれた。
そして、最後MVと同タイミングでする「メガシンカ」である。
まず、メガシンカのSEが入るのが嬉しい。原曲にもほしいくらい。
「おおぞらをとぶ」をする際はメガシンカをして、ラティラティと飛ぶので、このメガシンカは必須だ。
惜しむらくは、飛び方がサイコキネシスで浮く形であったこと。ちゃんとまたいでラティラティに乗ってくれれば満点でした。
余談(ボーカロイドの選定について)
歌唱しているボーカロイドの「KAITO」と「初音ミク」は二次創作などでは兄妹になっていることもある。同じくボーカロイドの「鏡音リンレン」も双子として扱われることが多いが、彼らと違って年齢差のある兄妹らしさが、よりラティラティらしさを感じさせてくれる。歌割も、ラティアスらしい歌詞はミク、ラティオスらしい歌詞はKAITOとなっている。
余談2(おおぞらをとぶについて)
ひでん技がなくなって久しいが、そのトリガになったのがこの『おおぞらをとぶ』であると私は考える。
ひでん技はポケモンの力を借りているという描写ではあるものの、ドット時代では表現が難しかったこともあり、ポケモンの鳴き声と結果程度の描写で終わるのが通例であった。
しかし、おおぞらをとぶ、がそれを変えた。
ラティラティと空高く舞い、空を移動して降り立つ場所を決めることに非常にロマンがあり、これが空を飛ぶで見ていた景色なのか、と初めて体験したときは非常に感動したものだ。
空を飛んでいる最中に鳥ポケモンと接敵できたのも、ポケモンの世界で空を飛んでいるという感じがして非常に良い。
本内容が活かされたのがSMのポケライドであろう。あの作品では直接ポケモンに乗って波乗りや岩砕きができたのがとてもよかった。やはり自然や険しい道をポケモンと一緒に乗り越えるというのは非常に冒険心をくすぐられるものだ。(剣盾でなみのり機能が自転車に移管され、そのほかのひでん技の要素もなくなってしまったことはかなり不満を抱いた)
このような立ち回りは、LAやSVにも引き継がれている。今後、手持ちの好きなポケモンに乗れるようになったとき、ポケモンはまた一つの新しい進化に踏み出したなと感じることだろう。
終わりに
あくまで解釈の一つでしかないが、この曲を聴くときの深みとしての一助になれば幸いである。
また、もしもRSEしかやっていなくて、この曲を聴いてORASもやりたくなった人がいたらぜひ教えてほしい。現代ですれちがい通信でむげんのチケットを入手することはかなり困難であることが想定されるが、私はそれが可能なため、寄与できると思われる。
なお、すれちがい通信をせずとも、ORASはストーリー上でみなみのことうを訪れることも可能である。
別にほかの作品で簡単に捕まえられるからそこまでしなくていいよ、なんて寂しいことは言わないでほしい。
みなみのことうのそのまた奥で彼らは待っていてくれているのだから。
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